トップページ > 屋根瓦について > 瓦屋根を進める理由
文字サイズ | | | |

瓦屋根を進める理由

耐久性

瓦は粘土を一定の形に固めて焼いたものなので、天然素材の粘土製屋根材です。焼き物は、人類が造った素材の中で最も耐久性が高いものといわれます。粘土を焼くという単純な方法が、実は金属やセメントやプラスティックより、はるかに高い耐久性を実現しています。粘土瓦は1000〜1400度の高温で焼かれた製品です。

土を焼き閉めた瓦素材はとても安定した物質です。紫外線による劣化やサビによる腐食などはありません。外装材としてきわめて高い耐久性を持っています。

粘土瓦が他の屋根材と違う点の一つは「塗装していない」ということです。どんなに良質な塗装を施しても、太陽が発する紫外線は塗装を劣化させていきます。そして長年のうちには雨に流され、塗装は落ちてしまいます。でも、粘土瓦の色は釉薬を焼き付けたり、燻化により炭素幕を作って色を出しています、炭素幕の色は経年変化しますが、塗装が落ちることはありません。

経済性

瓦はとても耐久性に優れた製品です。金属などの他の屋根材のように塗装が落ちることもありません。そのためメンテナンス費用が少なくて済み、20年間で比較すると110万円もお得になるという試算もあります。そのほか、断熱性に優れる瓦なら冷暖房費の軽減にもつながっています。

夏、直射日光にさらされる屋根はとても高温になります。。外気温が35度のとき、屋根素材の表面は60〜70度になり、その熱が子屋裏に伝わります。断熱材が不十分だと2階の部屋がエアコンが効かないほどの暑さになっています。

金属や化粧スレートなどの他の屋根材と比べ、粘土瓦は素材自体、工法自体の断熱性が高いのが特徴です。小屋裏(天井から上)の温度上昇を抑え、それだけで7〜8度も子屋裏の温度が低くなります。夏場に2階が暑くてたまらない場合、金属や化粧スレートの屋根を粘土瓦に葺き替えるだけで、「涼しくなった」と実感できます。

美観

瓦の美しさは色彩の美しさもありますが何よりも1400年前から日本に存在する歴史の重み(深み)があります。
瓦の種類は多種多様で、まずは、産地に分けられます。日本には大きくは三大産地があり、三州、淡路、石州がそれにあたります。
それぞれの瓦の硬さ、色、形状が違い、産地によって性格が違い、それはその土地で取れる粘土(瓦の原料)気候風土、流儀によるものと思われます。

そして瓦は平場(屋根の大きな面)に使用する桟瓦、平瓦、丸瓦があり、軒には万十軒瓦、平唐草、巴瓦、ケラバに袖瓦、掛瓦、棟には、のし瓦、冠瓦と大まかに使用する箇所により分けられ、それぞれの瓦が寸法、形状、意匠の違いがあり、さらに細分化していくと数え切れないほどの種類の瓦があります。

遠方へ仕事や旅行で赴いた時に、その土地土地の屋根を見ると、自分が住んでいる地域の屋根と雰囲気が違うことに気づきます。それはその土地の気候風土に合わせた(積雪、風や嵐に対処した)施工方法によるものであったり、その土地の施工の流儀であったりします。

このように、さまざまな形状をした瓦を用いて一つの屋根を作っていくことは単に雨を漏らさないということだけではなく、施工者の意図や施主の願いを読み取ることができます。
瓦屋根を彩る景色は古くなってもその景色が織り成す情景に深みや一体感・落ち着きがあり、まさに日本文化になくてはならない美しさが瓦にはあります。

Copyright(C) 有限会社 瓦幸本店 All Rights Reserved.